競合が繰り返し取り上げているのに自社が触れていないテーマは、タイトルと要約を並べただけでは見えにくいものです。感覚で「競合の方が幅広い気がする」と思っても、具体的にどのテーマが抜けているのかを言語化するのは別の作業です。自社・競合それぞれの記事一覧をAIに読み込ませれば、この空白探しを機械的な突き合わせに変えられます。
01この記事でわかること
- 自社・競合それぞれの記事一覧CSVをAIに読み込ませ、競合優位テーマを抽出するプロンプト
- 入力する情報(自社・競合の記事タイトル・KW・カテゴリ一覧)と、得られる出力(競合優位テーマの一覧と優先度)
- 検出したテーマを、新規記事の企画にどうつなげるか
02結論サマリー
競合が繰り返し取り上げているのに自社が触れていないテーマは、タイトルとKWを並べただけでは見えにくいものです。自社・競合それぞれの記事一覧をCSVでAIに読み込ませると、競合側にだけ存在するテーマを、関連度と企画優先の理由つきで一覧化できます。Googleも、独自の価値を十分に提供しているかを、有用なコンテンツの自己評価基準の一つに挙げています(出典: Google検索セントラル「有用で信頼性の高いコンテンツの作成」)。
自社記事の一覧と読者の質問リストから不足テーマを洗い出す方法は、別記事『自社サイトのコンテンツギャップをAIに分析させる実践手順』で扱っています。この手順はそれとは視点が異なり、競合という外部の物差しを使うことで、自社視点だけでは浮かびにくいテーマの空白を突き止めます。
使用AIツール: Claude(自社・競合それぞれの記事一覧をCSVファイルとしてアップロードして使います。1つの会話で複数のファイルをまとめて添付できます(出典: Claude Help Center「Claudeへのファイルアップロードについて」、2026年7月時点)。無料プランでも添付できますが、記事数が多い場合はファイルサイズ・件数の上限を事前に確認してください)
引用されやすい定義文競合が書いていて自社が書いていないテーマこそ、次の記事企画の手がかりになります。
03課題の整理(なぜ難しいか)
自社の記事一覧を眺めて「足りないテーマ」を探そうとしても、自分が知っている前提が邪魔をして、そもそも扱っていないテーマの存在自体に気づきにくいものです。
- 競合が独自に取り上げているテーマは、自社側の目線だけでは読み流されやすい
- タイトルの言葉が違うだけで同じテーマ領域を指す場合と、似た言葉でも別領域の場合があり、判別に手間がかかる
- 競合・自社それぞれの記事数が増えるほど、全組み合わせを目視で突き合わせる作業量が増える
- 差分を見つけても、優先して企画すべきテーマなのか、自社があえて扱っていないテーマなのかの切り分けが必要になる
自社の記事一覧だけを見て不足テーマを洗い出す方法とは異なり、競合という外部の物差しを使えば、この見落としをまとめて可視化できます。
04プロンプト本体
自社と競合それぞれの記事一覧が手元にあり、競合が扱っていて自社が扱っていないテーマを洗い出したい場面で使います。
あなたはコンテンツ企画を支援するSEO/AIOアナリストです。
添付された2つの記事一覧CSVをもとに、競合が扱っていて自社が扱っていない
テーマを抽出してください。
■入力データ
比較対象カテゴリ: 【比較対象カテゴリ】
自社記事一覧CSV: 【自社記事一覧CSV】(添付ファイルとして渡す。列=記事タイトル・
target_kw・カテゴリ)
競合記事一覧CSV: 【競合記事一覧CSV】(添付ファイルとして渡す。列=記事タイトル・
想定KW・カテゴリ)
■分析手順
1. 【競合記事一覧CSV】の各記事が扱っているテーマを、タイトルとKWの言葉から
1テーマ1行に整理する。
2. 整理した競合側のテーマごとに、【自社記事一覧CSV】に同一・類似のテーマを
扱った記事が存在するかを判定する。
3. 自社側に同一・類似のテーマが存在しないと判定したものを「競合優位テーマ」
として抽出する。
4. 抽出した競合優位テーマごとに、【比較対象カテゴリ】との関連度を「高・中・低」
の3段階で評価し、企画を優先すべき理由を1行で添える。
■出力形式
競合優位テーマごとに、以下の列を持つ表で出力してください。
| 競合優位テーマ | 出典となる競合記事タイトル | 関連度 | 企画優先の理由 |
表の後に、関連度「高」と判定したテーマの件数を1行でまとめること。
■制約
- 添付された2つのCSVに実在しない記事タイトル・テーマを作り出さないこと。
- 自社記事一覧に部分的にでも同種のテーマを扱った記事が含まれる場合は、
「競合優位テーマ」に含めず対象外とすること。
- テーマの表現は、競合記事のタイトル・KWの言葉を引き継ぎ、抽象化しすぎ
ないこと。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【比較対象カテゴリ】 | 自社・競合を比較する記事群のジャンル・カテゴリ名 | AIO実践プロンプト記事(架空例) |
| 【自社記事一覧CSV】 | 自社の記事タイトル・target_kw・カテゴリを列にしたCSV(添付ファイル) | (自社の記事一覧CSVをそのまま添付) |
| 【競合記事一覧CSV】 | 競合の記事タイトル・想定KW・カテゴリを列にしたCSV(添付ファイル) | (競合サイトの記事一覧CSVをそのまま添付) |
※入力例はすべて架空の例です。
05出力の見方と分析の観点
出力された表は、関連度「高」の行から優先して確認します。
- 関連度「高」: 比較対象カテゴリの中核に近く、企画の優先度が最も高いテーマです。次の記事化サイクルに組み込むことを検討します
- 関連度「中」: 隣接領域のテーマです。新規記事にする前に、既存記事への追記で対応できないかを先に検討する余地があります
- 関連度「低」: 競合が扱っていても自社の読者層とはズレがある可能性があるテーマです。企画化を急ぐ前に、想定読者との整合を見直します
企画優先の理由欄まで読み、なぜそのテーマが競合優位と判定されたのかを具体的に把握してから、記事化の順番を決めます。検出した競合優位テーマを記事化したら、別記事『内部リンク設計でトピッククラスターを作る方法|実装6ステップ』の考え方で、既存記事群と接続しておくと孤立記事になりません。競合のAI検索での言及量そのものを定点観測したい場合は、別記事『競合のAI検索露出を分析する方法|無料手順と専用ツール比較』が参考になります。
06応用パターン
応用1: 複数競合をまとめて比較する
競合記事一覧CSVに競合社名の列を追加し、複数社分のデータをまとめて添付すれば、どの競合が最も自社の空白領域を埋めているかを横断的に比較できます。
応用2: 定期的な棚卸しに組み込む
四半期に一度、双方の記事一覧を最新化して再実行すれば、新しく生まれた競合優位テーマを早期に発見できます。
07注意点
タイトルの言葉が違うだけで、実際には同じテーマ領域を指している場合があります。AIはこの表記ゆれを見抜けず別テーマと誤判定し、本来検出すべき重複や近接テーマを見逃すことがあります(2026年7月時点)。抽出結果の粒度に不自然なばらつきがある場合は、テーマ名の言い換えパターンを手動で補って再実行することをおすすめします。
AIの出力には誤りが含まれる場合があります。特に企画優先の理由欄は、そのまま鵜呑みにせず自分の目でテーマの妥当性を確認してください。
未公開の競合分析結果や、自社の非公開の企画案をプロンプトに含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。
競合記事一覧CSVの作成方法や、出力結果を社外向けの資料に転用する場合は、利用しているAIサービスおよび競合サイトの利用規約の範囲内で行ってください。
AIの回答は実行のたびに、競合優位と判定されるテーマの範囲や関連度の評価が変わることがあります。重要な企画判断の前には、複数回実行して結果が安定しているかを確認することをおすすめします。
添付できるファイルの件数・サイズには上限があります(出典: Claude Help Center「Claudeへのファイルアップロードについて」、2026年7月時点)。記事数が数百本規模の媒体では、カテゴリ単位や公開時期で分割して添付する必要があります。
08FAQ
Q. 自社にまだ記事がないテーマと、既にあるが薄いテーマは区別されますか?
このプロンプトの判定は記事の有無に絞っています。自社に同種のテーマの記事が存在する場合は、内容の薄さに関わらず対象外となります。内容の充実度を見直したい場合は、該当記事を個別にAIへ読み込ませ、網羅性を確認する作業を別途行うことをおすすめします。
Q. 競合が1社だけの場合でも実行する意味がありますか?
1社だけでも十分に意味があります。まずは主要競合1社から始め、慣れてきたら応用1の手順で複数社に広げる進め方をおすすめします。
Q. 抽出されたテーマは、そのまま記事タイトルとして使ってよいですか?
そのままでは使わないでください。競合優位テーマは企画の出発点であり、自社の実績・専門性を反映したタイトルや切り口への作り込みが別途必要です。
09この分野を体系的に学ぶ
この記事は実践プロンプト記事です。サイト構造・コンテンツ設計の観点を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「テクニカル編: サイト構造・レンダリング・速度(III-D)」をご覧ください。