SEOツール企業のSE Rankingと、AI流入分析のPrevisibleが2026年7月、ChatGPT経由の参照トラフィックについて独自調査をそれぞれ公表しました。両社の調査は対象・母数が異なり、それぞれ異なる角度からChatGPTの急成長を示しています。SE Rankingは月次36.7%増を、Previsibleは92.4%というシェアを報告しています。

01結論: 実務者が知るべきこと

引用されやすい定義文

ChatGPTはAI経由流入の中心である一方、そのシェアは相対的に低下しつつあります。

ChatGPT一本足打法を避け、複数のAIサービスでの露出を確認することが、実務対応の第一歩です。

02何が発表されたか

SE RankingとPrevisibleは、ChatGPT参照トラフィックの実態に迫る独自調査をそれぞれ発表しました。

SE Rankingは、101,574のウェブサイトを対象に、250の国・地域にまたがるGoogle Analyticsデータを匿名化・集約して分析しました。調査期間は2025年1月から2026年5月までの17ヶ月間です。

ChatGPT参照トラフィックが全世界のWeb参照トラフィックに占めるシェアは、2026年4月の0.23%から2026年5月には0.32%に上昇しました(月次36.7%増)。地域別では、EUが42.7%増、英国が38.7%増、米国が23.2%増と、地域による差も見られます。

一方Previsibleは、166のGA4プロパティ・677万セッションを、2024年11月から2026年5月までの19ヶ月間にわたって分析しました。対象業種はSaaS・EC・金融など複数分野です。

この調査では、トラッキング可能なLLM参照トラフィック全体のうち92.4%をChatGPTが占めると報告されています。ChatGPT単独の月間セッション数は、2024年11月の47,606件から2026年5月には610,910件へ12.8倍に増加しました。LLM経由全体で見ても、65,249件から644,478件へ9.9倍に増えています。

03仕組み・背景解説

SE Rankingは、ChatGPT参照トラフィックが急増したきっかけとして、2026年5月7日の仕様変更を挙げています。この変更により、ChatGPTは回答内で直接クリックできるブランドリンクを表示するようになりました。それまでは引用表示が中心で、参照元にたどり着くには追加のクリックが必要な設計でした。

この変更直後の週次データでは、Similarwebの実測によるとChatGPT経由の総参照数が157.7%増加しました。ホームページへの参照はさらに354.7%増加し、着地率も26〜32%から約60%へ上昇しています。回答内のリンクが「引用」から「導線」に変わったことが、急増の主因と考えられます。

📊 図解制作中
ChatGPTのAI参照トラフィックのシェア推移を示す図。SE Ranking調査の世界シェア(2026年4月0.23%→5月0.32%)と、Previsible調査のLLM経由シェア(92.4%)・ChatGPT単独の伸び率(19ヶ月で12.8倍)を、母数の違いを明記して対比する構造

04実務への影響(誰が・何を・いつまでに)

企業のWeb担当者・マーケティング担当者への影響は主に2点です。

  1. ChatGPT経由の参照トラフィック計測を、今月中に見直してください。2026年5月7日の仕様変更以降、ホームページへの直接流入が増えている可能性があります。流入経路の切り分け手順は、別記事『リファラーからAI経由流入を見分ける方法|主要サービス一覧』で解説しています。
  2. ChatGPT以外のAIサービスでの露出も、並行して確認してください。SE Rankingの調査では、AI参照トラフィック全体に占めるChatGPTのシェアが前年比で低下しています(後述)。特定のサービスに依存しない計測体制が、実務上の備えになります。

05WEBMARKSの見解

※本節の数値はSE Ranking調査の別指標(AI参照トラフィック内のシェア)で、冒頭の36.7%(全Web参照に占めるシェア)とは母数が異なります。

WEBMARKSは、ChatGPTが依然としてAI経由トラフィックの中心である一方、その優位性は変化しつつあると考えます。

SE Rankingの調査によれば、ChatGPTの「AI参照トラフィック全体」シェアは2025年の79.74%から2026年に75.96%へ低下しました。参照トラフィックの実数は伸びていても、Perplexity・Geminiなど他のAIサービスもシェアを伸ばしており、ChatGPT一強ではなくなりつつあると考えます。

実務者への示唆は2点あると考えます。1つ目は、ChatGPT一本足打法を避け、複数のAIサービスでの露出を計測・改善の対象に含めることです。AIサービスごとのシェア把握の考え方は、別記事『AI Share of Voiceの計算方法|3段階で算出する』で扱っています。

2つ目は、2026年5月7日以降ブランドリンクが回答内に直接表示される仕様になったことで、ブランド名・固有名詞での言及されやすさが一段と重要になったという点です。Search Consoleでの月次分析の実践手順は、別記事『Search ConsoleでAI検索流入を月次分析する方法』で解説しています。

参照トラフィックの増加が実際の成果につながっているかは、別記事『ChatGPT経由のCVRは実際どうか|公開データで検証する』で検証しています。

06FAQ

Q. ChatGPT参照トラフィックの36.7%増と、92.4%という数字は同じ調査の結果ですか?

いいえ、異なる調査です。36.7%増はSE Rankingによる調査で、Web参照トラフィック全体に占めるChatGPTの世界シェアの月次成長率を示しています。92.4%はPrevisibleによる調査で、LLM経由の参照トラフィックに限定した中でのChatGPTの占有率です。母数が異なるため、単純な比較はできません。

Q. ChatGPT一強の状態は今後も続きますか?

SE Rankingの調査では、ChatGPTが「AI参照トラフィック全体」に占めるシェアは前年比で低下傾向にあります(2025年79.74%→2026年75.96%)。ただし絶対的な参照トラフィック自体は増加しており、今後の推移は継続的な確認が必要です。

Q. 79.74%から75.96%への低下も、36.7%や92.4%と同じ指標ですか?

いいえ、これも別の指標です。SE Ranking調査の「AI参照トラフィック内シェア」で、冒頭の36.7%とも92.4%とも母数が異なります。3つの数値はそれぞれ算出基準が違うため、単純比較はできません。

07この分野を体系的に学ぶ

この記事はニュース解説です。AI参照トラフィックの計測とKPI設計を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: KPI設計と計測の考え方(V-A)」をご覧ください。