「AI検索経由の流入がどれくらいあるのか知りたいが、どこを見ればいいかわからない」というWeb担当者の方に向けた記事です。本記事を読むと、リファラー情報から主要AIサービス経由の流入を判別する具体的な手順と、その手法の限界まで理解できます。
01この記事でわかること
- 主要AIサービス(ChatGPT・Perplexity・Gemini・Claude・Copilot等)のリファラーパターン一覧
- GA4の探索レポートでAI経由流入を確認する具体的な手順
- リファラーが取得できない「ダークトラフィック」「アプリ内遷移」が起きるケース
- リファラー判定の限界と、他の計測手段と組み合わせるべき理由
02結論サマリー
リファラー(参照元情報)は、AI経由の流入を判別するための有力な手がかりです。ただし、これだけでAI経由流入の全体量を正確に把握することはできません。
chatgpt.comやperplexity.aiなど、一般に報告されている参照元パターンを確認すれば、GA4上で多くのAI経由流入を判別できます。 一方で、AI経由流入の一部はリファラー情報を伴わずに届くと報告されており、リファラーだけに頼ると実態を過小評価するおそれがあります。
本記事では、主要AIサービスのリファラーパターン一覧、GA4の探索レポートでの確認手順、リファラーが取れないケースと限界を順に解説します。
03リファラーとは(基礎定義)
引用されやすい定義文リファラーとは、Webサイトへの訪問者がどのページから遷移してきたかを示す参照元情報です。
リファラーは、ブラウザが送信するHTTPリクエストの「Referer」ヘッダーに記録されます。GA4などのアクセス解析ツールは、このリファラー情報をもとに「参照元/メディア」を自動判定します。
AI検索サービス経由の流入を見分けたい場合、リファラーの参照元ドメインが各AIサービスの公式ドメインと一致するかどうかが最初の手がかりになります。ただし後述するとおり、リファラー情報自体が届かないケースも一定数存在します。
04主要5サービスのリファラーパターン一覧
AI経由の流入を判別する最初のステップは、主要AIサービスの参照元ドメインを把握することです。この一覧は各サービスの実装変更によって変わりうる、現時点の観測にもとづく情報である点にご注意ください。
| AIサービス | 一般に報告されている参照元ドメインの例 | GA4「AI Assistants」自動判定 |
|---|---|---|
| ChatGPT | chatgpt.com/chat.openai.com | 対象 |
| Gemini | gemini.google.com | 対象 |
| Copilot | copilot.microsoft.com | 対象 |
| Perplexity | perplexity.ai | 対象外(手動確認が必要) |
| Claude | claude.ai | 対象外(手動確認が必要) |
上記5サービスに加え、GA4の「AI Assistants」チャネルはDeepSeek・Grokも自動判定の対象に含めています。出典はGA4ヘルプ「デフォルトチャネルグループ」です。両サービスは参照元ドメインの報告例が少ないため、本記事では一覧化を見送りました。
上記は一般に報告されている参照元ドメインの例であり、各AIサービスの仕様変更によって変わる可能性があります。定期的な見直しをおすすめします。
なお、GoogleのAI OverviewsやAI Mode経由のクリックには注意が必要です。通常は「google.com」を参照元とする、一般的なオーガニック検索と同じ扱いになります。そのため、リファラー単体では判別できないと報告されています。
この場合はSearch Consoleの生成AIパフォーマンスレポートによる確認が必要です。詳しくは別記事『GSC「生成AIパフォーマンスレポート」を使いこなす実践ガイド』で解説しています。
05GA4の探索レポートで確認する6つの手順
GA4の標準レポートだけでは、AIサービスごとのリファラーを一覧で確認しにくい場合があります。探索(GA4の標準レポートにない切り口で数値を分析できる機能)の自由形式レポートを使うと、参照元ドメインとランディングページを掛け合わせて確認できます。
- 左メニューの「探索」を開く: GA4の管理画面左側にある探索アイコンをクリックします。
- 「自由形式」テンプレートを選ぶ: 空白(+)のテンプレートを選択すると、初期設定で自由形式レポートが作成されます(出典: GA4ヘルプ「自由形式」)。
- ディメンションに「セッションの参照元/メディア」を追加する: 「行」の設定にこのディメンションを配置します。
- セカンダリディメンションに「ランディングページ」を追加する: 参照元ごとの着地ページを同時に確認できます。
- フィルタで対象ドメインを絞り込む: 「chatgpt.com」「perplexity.ai」など、確認したいドメインを含む行に絞り込みます。
- 期間を設定し、セッション数・イベント数を記録する: 週次・月次で数値を記録し、推移を追います。
標準の「トラフィック獲得」レポートでも参照元/メディアの確認は可能です。詳しくは別記事『無料で始めるAI可視性モニタリングの方法【週30分・今日から】』をご参照ください。探索レポートは、複数ディメンションの掛け合わせや期間比較を一度に行える点が利点です。
06リファラーが取れない3つのケース|ダークトラフィックとアプリ内遷移
リファラー情報は、あらゆるAI経由の流入で送信されるとは限りません。技術的な理由により参照元が欠落し、GA4上で「Direct」に計上される流入があると報告されています。
- Referrer-Policyによる制限: Referrer-Policyとは、サイトがブラウザに対し、リファラー情報の送信範囲を指示する仕組みです。多くのWebブラウザは現在、その初期値として「strict-origin-when-cross-origin」を採用しています(出典: MDN Web Docs)。別ドメインへの遷移時にはパス情報が送信されません。HTTPSからHTTPへの遷移では、参照元情報自体が送信されない場合もあります。
- アプリ内ブラウザ・ネイティブアプリ経由の遷移: スマートフォンのAIアプリ内でリンクをタップした場合、アプリの実装によってはリファラー情報が渡されない、または簡略化された情報だけが渡される場合があると報告されています。
- URLのコピー&ペーストによる直接遷移: 利用者がAIの回答内のURLをコピーし、別のタブやブラウザに貼り付けて開いた場合、リファラー情報は発生せず「Direct」として計測されます。
これら3つの経路を通った流入は、リファラーの有無だけでは判別できません。この状態を指して「ダークトラフィック」と呼ぶ例もあります。
GA4の参照元除外リスト(特定ドメインからの遷移を新規参照として扱わないための設定)も、リファラーの見え方に影響します。出典はGA4ヘルプ「意図しない参照元を特定する」です。自社ドメインを除外リストに登録していても、AIサービスのドメインが誤って登録されることは通常ありません。ただし、設定内容は定期的に確認することをおすすめします。
07限界と併用すべき3つの手段
リファラーによる判別には限界があるため、複数の手段を組み合わせることが実務上の結論になります。WEBMARKSでは、リファラー確認を起点に、以下の手段を併用することをおすすめします。
| 確認手段 | わかること | リファラーとの関係 |
|---|---|---|
| GA4探索レポート(本記事) | 参照元ドメインベースでの流入判別 | リファラーが送信された流入のみ対象 |
| Search Console生成AIパフォーマンスレポート | Google AI Overviews/AI Mode内の表示回数 | リファラーに依存しない別軸の指標 |
| 手動プロンプト調査 | AI回答内での自社言及・引用頻度 | リファラーとは無関係に独立して把握できる |
無料手法の全体像は、別記事『無料で始めるAI可視性モニタリングの方法【週30分・今日から】』でも解説しています。GA4だけに依存した計測の限界と代替策は、『GA4でAI参照を測る限界と代替手段』で深掘りしています。Search Console側の分析を専門的に深掘りしたい場合は、『Search ConsoleでAI検索流入を月次分析する方法』もご参照ください。
KPI設計そのものを見直したい場合は、『KPIをクリックからCitationへ切り替える理由【実務指標の設計】』もあわせてご覧ください。リファラーによる流入判別は、Citation(引用)を捉えるための手段の一つにすぎません。
08チェックリスト
- GA4の探索レポートで「セッションの参照元/メディア」をディメンションに追加した
- chatgpt.com・perplexity.ai等、主要AIサービスの参照元ドメインを確認した
- Perplexity・Claudeなど、GA4の「AI Assistants」自動判定に含まれないサービスを手動で確認する運用にした
- リファラーが取得できない「ダークトラフィック」の可能性を認識し、Directの急増を見落とさないようにした
- Search Console生成AIパフォーマンスレポート等、リファラー以外の手段も併用する計画を立てた
09よくある失敗
リファラーの一覧だけを見て、AI経由流入の全体量と誤解する。ダークトラフィックとして計上される流入が別途存在するため、リファラーで確認できる数値は実態の下限値にとどまります。
Google AI OverviewsもChatGPT等と同様にリファラーで判別できると思い込む。AI Overviews経由のクリックは通常のgoogle.com参照元と同じ扱いになり、リファラー単体では区別できないと報告されています。
参照元ドメインの一覧を一度確認したきり、更新しない。AIサービス側の仕様変更によってドメインパターンが変わる可能性があるため、定期的な見直しが必要です。
10FAQ
Q. リファラーだけでAI経由の流入を完全に把握できますか?
完全には把握できません。リファラー情報を伴わない「ダークトラフィック」が一定数存在すると報告されており、リファラーで確認できる数値は実態の下限値と捉えることをおすすめします。
Q. Perplexity経由の流入はGA4で自動的に判定されますか?
自動的には判定されません。GA4の「AI Assistants」チャネルはChatGPT・Gemini・DeepSeek・Copilot・Grokの5サービスが対象です。Perplexityはこの5サービスに含まれていません。「セッションの参照元/メディア」でperplexity.aiを手動で確認する必要があります。
Q. GoogleのAI OverviewsやAI Mode経由の流入もリファラーで判別できますか?
リファラー単体では判別が難しいと報告されています。AI OverviewsやAI Mode経由のクリックは、通常のgoogle.comオーガニック検索と同じ参照元として計測されるためです。判別には、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートをあわせて確認することをおすすめします。
Q. リファラーの参照元ドメイン一覧は今後も同じですか?
同じとは限りません。AIサービス側の仕様変更によって、参照元ドメインのパターンが変わる可能性があります。本記事の一覧は現時点で一般に報告されている情報であり、定期的な見直しをおすすめします。
11まとめ
リファラーは、AI経由の流入を判別するための有力な手がかりです。chatgpt.comやperplexity.aiなど、一般に報告されている参照元パターンを、GA4の探索レポートで確認することから始められます。
一方で、リファラー情報を伴わない「ダークトラフィック」や、Google AI Overviewsのように参照元が通常のオーガニック検索と区別しにくいケースも存在します。リファラーによる判別を起点に、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートや手動プロンプト調査など、複数の手段を併用することをおすすめします。
12この分野を体系的に学ぶ
この記事は徹底ガイド記事です。AI経由流入の計測を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: GA4・Search Console実装(V-C)」をご覧ください。