AI Share of Voiceの計算式は、言及率・引用率・ポジション加重という3段階に分かれています。手元の言及記録データをこの3段階に当てはめる作業は、件数が増えるほど手間がかかります。記録データを貼り付けるだけで、この3段階を自動計算するプロンプトを以下にまとめました。

01この記事でわかること

  • 言及記録データを渡すと、言及率・引用率・ポジション加重の3段階を自動計算するプロンプト
  • 入力する情報(自社名・今回分の言及記録データ・比較したい前回分のデータ)と、得られる出力(指標サマリー表と算出根拠)
  • 算出した数値を、前回データとの推移比較や競合との比較にどうつなげるか

02結論サマリー

言及データを手計算で3指標に分解するのは手間がかかりますが、AIに計算式を渡せば数分で完了します。3段階に分けて計算すれば、どの指標が伸びてどの指標が停滞しているかまで一度に把握できます。前回分のデータも一緒に渡せば、増減の差分まで算出させることができます。手計算での転記ミスを防ぎながら、継続的な計測にかかる負担を軽くできます。

使用AIツール: ChatGPT(言及記録データを貼り付けるだけで計算が完了し、Web検索・ファイルアップロード等の追加機能は使いません(2026年7月時点))

引用されやすい定義文

言及率だけを見ていては、AI Share of Voiceの実態を半分も理解できていません。

03課題の整理(なぜ難しいか)

言及データが増えるほど、3つの指標を手計算で追うのは煩雑になります。AI Share of Voiceという指標自体はAhrefs・Semrushなどのツールベンダーも解説していますが(出典: Semrush公式ブログ「How to Measure AI Share of Voice」)、専用ツールを契約していない場合、同じ考え方を手元の記録データで再現しようとすると、いくつかの壁に阻まれます。理由は主に次の4つです。

  • 言及率・引用率・ポジション加重を、毎回同じ計算式で正確に手計算するのは骨が折れる
  • 前回データとの差分を求めようとすると、表計算ソフトでの転記・再計算の手間が増える
  • 登場位置の重み付けを、担当者ごとに違う基準で採点してしまう
  • 分子・分母の対象範囲を取り違えたまま、気づかず報告してしまう

この壁を越える近道は、3段階の計算式をそのままAIに渡し、算出根拠まで一緒に出させることです。

04プロンプト本体

自社の言及記録データが溜まってきて、AI Share of Voiceを算出したい場面で使います。3段階の計算式そのものの考え方は、別記事『AI Share of Voiceの計算方法|3段階で算出する』で解説した内容と同じです。

あなたはAI検索領域のデータアナリストです。
以下の言及記録データをもとに、AI Share of Voiceを3段階(言及率・引用率・
ポジション加重)で算出してください。

■入力データ
自社名: 【自社名】
今回分の言及記録データ(表形式・質問No/使用AI/自社言及/引用URL/登場位置。登場位置は
「最初に紹介/中盤で紹介/末尾で一度だけ/言及なし」の4値のいずれかで記録すること):
【今回データ】
前回分の言及記録データ(表形式・推移比較する場合のみ):
【前回データ】

■計算手順
1. 言及率(%) = 自社が言及された回答数 ÷ 実施した質問数 × 100 を算出する。
2. 引用率(%) = 自社URLが出典として明示された回答数 ÷ 自社が言及された回答数
   × 100 を算出する。
3. ポジション加重スコア = 各回答の重み(最初に紹介=3点、中盤で紹介=2点、
   末尾で一度だけ=1点、言及なし=0点)の合計 ÷ 実施した質問数 を算出する。
4. 【前回データ】が入力されている場合は、同じ3指標を前回分でも算出し、
   今回分との差分(増減)を示す。
5. 【今回データ】【前回データ】に記載のない質問・回答を、推測で補完しない
   こと。

■出力形式
1. 指標サマリー表: 「指標名・今回値・前回値(あれば)・増減」の4列。
2. 算出根拠: 各指標で使った分子・分母の回答数を1行ずつ示す。
3. 総評: 3指標のうちどれが最も変化したかを2〜3行でまとめる。

■制約
- 入力データにない質問・回答結果を作り出さないこと。
- 前回データが入力されていない場合、増減の欄は「比較データなし」と明記
  すること。
- 計算式の分子・分母を省略せず、必ず算出過程を示すこと。

使う変数

変数説明入力例
【自社名】集計対象の自社名・ブランド名株式会社サンプル
【今回データ】今回分の言及記録データ(表形式の貼り付け)。登場位置は「最初に紹介/中盤で紹介/末尾で一度だけ/言及なし」の4値で記録する質問No1: ChatGPT・言及あり・引用URLあり・最初に紹介 など
【前回データ】比較したい前回分の言及記録データ(任意)前月分の記録データ、または「なし」

※入力例はすべて架空の例です。

📊 図解制作中
プロンプトの入力から出力までの流れ図。要素は「自社名・今回データ・前回データの入力」「AIが言及率・引用率・ポジション加重の3段階を計算」「指標サマリー表と算出根拠の出力」の3ステップ。関係性は一連のフロー

05出力の見方と分析の観点

出力されたら、次の3点を確認します。

  • どの指標が最も動いたか: 3指標のうち増減幅が最も大きい指標が、直近の施策の効果が出ている(または出ていない)箇所です
  • 算出根拠の分子・分母: 質問数や回答数が想定と違う場合、入力データそのものに欠けがないかを確認します
  • 比較データなしの場合: 今回分だけでも3段階の内訳を把握する材料になります。次回以降に前回データとして使えるよう記録を残しておきます
📊 図解制作中
今回分と前回分のAI Share of Voice3指標を並べた比較図。横軸に「言及率」「引用率」「ポジション加重スコア」の3指標、各指標について「今回」「前回」の2本の棒を並べ、増減の方向を矢印で示す。関係性は比較・推移

1回の計算結果だけで判断せず、同じ質問セットで継続的に記録・計算を繰り返すことで、増減の傾向が見えてきます。継続的な運用の型は、別記事『無料で始めるAI可視性モニタリングの方法【週30分・今日から】』で解説している週30分の運用モデルが参考になります。

06応用パターン

応用1: 競合のデータも一緒に計算する

【今回データ】に競合の言及記録を含めれば、自社と競合を同じ表で計算できます。競合分析の手順そのものは、別記事『競合のAI検索露出を分析する方法|無料手順と専用ツール比較』を参照してください。

応用2: 元データをブランド言及チェックの結果から作る

言及記録データがまだ手元にない場合は、別記事『自社ブランドの言及をChatGPTでチェックする方法|プロンプト付き』のプロンプトで作成できます。そこで得られる記録表を、そのまま本記事の【今回データ】として使えます。

07注意点

AIによる計算結果は、入力データの誤りをそのまま引き継ぎます。報告前に、少なくとも次の3点を確認してください。

  • 算出根拠の検証: 分子・分母の数値をそのまま信じず、元データと突き合わせてから使用する
  • 機密データの取り扱い: 自社の未公開の売上目標や、競合の非公開情報と紐づく言及データを含める際は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認する
  • 利用規約の遵守: 算出結果を経営会議や社外向け資料に転用する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行う

AIの回答は実行のたびに揺らぐことがあります。同じ入力データでも、算出根拠の記述が毎回同じ書式になるとは限りません。

本記事のプロンプト固有の限界として、ポジション加重の点数配分(3点・2点・1点・0点)はWEBMARKS独自の基準です。登場位置の記録が曖昧だと、AIが最初と中盤の境界を誤って判定する可能性があります。

08FAQ

Q. 手動計測ではなく計測ツールのデータを渡しても、このプロンプトは使えますか?

使えます。Ahrefs・Semrush等のツールが出力した数値であっても、【今回データ】の形式(言及有無・引用URL有無・登場位置)に変換できれば、同じプロンプトで3段階の計算が可能です。ただしツールの重みづけ方法と本記事のポジション加重の基準は異なるため、両者を混在させず前提を統一してください。

Q. 質問数が毎回同じでなくても比較できますか?

比較の精度は下がりますが、計算自体は可能です。言及率・引用率は割合(%)で算出するため、質問数が変わっても数値としては出ます。ただし増減の解釈は、質問数を固定した場合より慎重に行ってください。

Q. ポジション加重の点数配分を自社基準に変えてもいいですか?

変更して構いません。プロンプトの■計算手順内にある点数配分をご自身の基準に書き換えれば、そのまま自社基準での計算に対応します。基準を変えた場合は、前回データとの比較時に同じ基準で計算していることを確認してください。

09この分野を体系的に学ぶ

この記事は実践プロンプト記事です。AI Share of Voiceの計測を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: 計測ツール実践(V-B)」をご覧ください。