Search Consoleの数値データは、行数が多いほど傾向を目で追うのが大変になります。特にページ単位の増減を手作業で1件ずつ拾い上げるのは、時間のかかる作業です。本記事は、GSCのデータをAIに渡し、傾向とページ別の示唆を分析させる実践プロンプトを紹介します。

01この記事でわかること

  • GSCのレポートデータをAIに渡し、傾向とページ別の示唆を分析させるプロンプト
  • 入力する情報(GSCレポートの数値データ)と、得られる出力(傾向分析とページ別の示唆)
  • 生成AIパフォーマンスレポートが使えない場合の、既存レポートでの代替方法

02結論サマリー

Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、2026年7月時点で英国の一部サイト運営者に限定されています。日本のアカウントでまだ使えない場合でも、既存の検索パフォーマンスレポートのCSVデータで同様の分析は可能です。ここで使うプロンプトでは、どちらのレポートのデータを渡しても、傾向とページ別の示唆を同じ形式で分析できます。

使用AIツール: ChatGPT等(CSVを貼り付けるだけで分析が完結し、2026年7月時点では無料プランでも実行できます。Web検索やファイルアップロードは不要です)

引用されやすい定義文

英国限定のレポートを待つ必要はない。今あるCSVデータでも、AIに傾向は読み解かせられる。

03課題の整理(なぜ難しいか)

数百行のCSVを目視で追うと、増減の大きいページほど見落としやすくなります。

  • 生成AIパフォーマンスレポートは英国先行展開中で、日本のアカウントでは使えないことがある
  • 使える場合も指標はインプレッション数のみで、既存データとの突き合わせが手間
  • 数百行に及ぶCSVを目視で確認すると、増減の大きいページを見落としやすい
  • 増減の傾向と、たまたまの変動の違いを手作業で切り分けるのは難しい

本記事のプロンプトを使えば、この傾向把握と見落とし防止を自動的に処理できます。

04プロンプト本体

月次のSearch Console点検で、CSVデータから傾向を素早く把握したい場面で使います。

あなたはSearch Console(GSC)データ分析の専門家です。
以下のGSCデータを分析し、傾向とページ別の示唆を整理してください。

■入力データの種類
【レポート種別】
(注: 「生成AIパフォーマンスレポート」と「検索パフォーマンスレポート」の
いずれかを指定すること。生成AIパフォーマンスレポートは2026年7月時点で
英国の一部サイト運営者に限定されているため、利用できない場合は検索
パフォーマンスレポートのCSVを渡すこと)

■GSCデータ(CSVからの貼り付け)
【GSCデータ】

■分析手順
1. 【レポート種別】に応じて確認できる指標を前提に分析すること。(生成AI
   パフォーマンスレポートはインプレッション数のみ。検索パフォーマンス
   レポートはクリック数・CTR・平均掲載順位・インプレッション数)
2. 期間全体を通じて、指標が増加・減少・横ばいのいずれの傾向にあるかを
   判定すること。
3. ページ単位で指標の値が大きい順に並べ、上位5ページを抽出すること。
4. 上位ページのうち、直近の推移が他のページと異なる動きをしているもの
   があれば、その乖離を指摘すること。
5. 【GSCデータ】に含まれる数値の範囲を超えた推測(将来予測や因果関係の
   断定)をしないこと。

■出力形式
以下の3部構成で出力してください。
1. 全体傾向: 3行以内のサマリー
2. 上位ページ一覧: 表形式(ページURL・指標値・傾向)
3. 気になる動きのページ: 箇条書きで、具体的な数値とともに指摘すること

■制約
- 【GSCデータ】に記載のない数値を、AIが補完・推測して作り出さないこと。
- 因果関係を断定せず、「〜の可能性があります」等の表現を使うこと。
- 【GSCデータ】に含まれない期間・ページについて言及しないこと。

使う変数

変数説明入力例
【レポート種別】分析するGSCレポートの種類検索パフォーマンスレポート
【GSCデータ】GSCのレポート画面からエクスポートしたCSVの中身、または表の貼り付けページ/インプレッション数/クリック数/CTRの列を含むデータ行(架空例: /blog/sample-page, 1200, 45, 3.8%)

※入力例はすべて架空の例です。

📊 図解制作中
プロンプトの入力から出力までの流れ図。要素は「レポート種別とGSCデータの入力」「AIが期間全体の傾向とページ別の乖離を分析」「全体傾向・上位ページ一覧・気になる動きの3部構成での出力」の3ステップ。関係性は一連のフロー

05出力の見方と分析の観点

出力された分析結果は、次の3点を中心に確認してください。

  • 全体傾向が、実際の施策(新規記事の公開や構造化データの実装等)の時期と一致しているか
  • 上位ページ一覧が、自社の重点コンテンツと重なっているか
  • 「気になる動きのページ」の乖離が、一時的な変動か継続的な傾向かを複数月分のデータで確認する
📊 図解制作中
「生成AIパフォーマンスレポート(英国先行展開・インプレッションのみ)」と「検索パフォーマンスレポート(全プロパティ利用可・クリック数等も含む)」を左右に並べ、本プロンプトがどちらのCSVデータを渡しても同じ3部構成で分析できることを示す対比図。関係性は2つのデータソースの対比と、共通プロンプトへの合流

生成AIパフォーマンスレポートの仕様と展開状況の詳細は、別記事『GSC「生成AIパフォーマンスレポート」を使いこなす実践ガイド』で解説しています。両レポートを組み合わせた月次の分析フローは、別記事『Search ConsoleでAI検索流入を月次分析する方法』で詳しく扱っています。

06応用パターン

応用1: 複数月分を比較する

複数月分の【GSCデータ】をまとめて入力すれば、月ごとの傾向の変化を含めて分析させることができます。

応用2: 生成AIパフォーマンスレポートが使えるようになったら再実行する

英国先行展開が自社のアカウントにも及んだ際は、同じプロンプトの【レポート種別】を切り替えるだけで、そのまま新レポートの分析に使えます。

07注意点

GSCデータを扱う際は、次の点に注意してご活用ください。

  • ハルシネーション検証: AIの出力には誤りが含まれる場合があります。特に増減の解釈や乖離の指摘は、そのまま信じず元のCSVデータで確認してから採用してください
  • 機密データの取り扱い: 自社の未公開の集客戦略や契約条件に関わるページのデータをプロンプトに貼り付ける際は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください
  • 利用規約の遵守: 分析結果を社外に共有する際や、大量のプロパティに自動化して実行する際は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください

AIの回答は実行のたびに揺らぎます。同じCSVデータでも、抽出される「気になる動きのページ」が実行のたびに変わることがあるため、重要な判断の前には複数回実行して比較することをおすすめします。

GSCのデータはあくまで観測された数値であり、AIはそこにない要因まで断定的に推測しがちです。データの範囲外の推測(施策の効果や競合の動きとの因果関係)は、必ず一次情報や社内の実施履歴で裏取りしてから採用してください。

08FAQ

Q. 生成AIパフォーマンスレポートが使えない場合、このプロンプトは使えませんか?

使えます。【レポート種別】に「検索パフォーマンスレポート」を指定すれば、既存のレポートのCSVデータでも同じ形式で傾向分析ができます。

Q. 分析に使うデータは、何ヶ月分を用意すればいいですか?

最低でも直近3ヶ月分を用意することをおすすめします。単月のデータだけでは、一時的な変動と継続的な傾向を区別しづらくなります。

Q. 出力された「気になる動きのページ」は、そのまま施策の優先順位にしていいですか?

そのまま採用はおすすめしません。まずはページの内容や公開時期を確認し、乖離の理由に心当たりがあるかを人が判断したうえで優先順位づけに反映してください。

09この分野を体系的に学ぶ

この記事は実践プロンプト記事です。GSCでの生成AI計測を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: GA4・Search Console実装(V-C)」をご覧ください。