競合のサービスページを眺めて「ここが強みなんだろうな」と感じ取っても、それを一覧化して自社の訴求と比べるところまではなかなか手が回りません。担当者の主観で拾った印象は、時間が経つと記憶からも薄れてしまいます。本記事は、競合のページ本文をAIに渡し、訴求ポイントを箇条書きで抽出・要約させる実践プロンプトを提供します。
01この記事でわかること
- 競合のトップページ・サービスページ本文をAIに渡し、訴求ポイントをグループ別に抽出・要約するプロンプト
- 入力する情報(競合ページ本文・比較したい観点)と、得られる出力(訴求グループ別の一覧・自社への気づき)
- 抽出結果を、自社の訴求設計やコンテンツ企画にどうつなげるか
02結論サマリー
同じ業界の競合でも、何を強みとして前面に出しているかは会社ごとに異なります。出力として得られるのは、競合ページの本文から訴求として打ち出されている表現の抜き出しです。価格・実績・スピードなどのグループに整理したうえで、自社が同じ観点で言えていなさそうな点を指摘します。抽出はあくまで公開ページの文言にもとづく所感であり、競合の非公開の戦略意図を言い当てるものではないため、結果は自社のコンテンツ企画の材料として実態に合わせて調整して使ってください。
使用AIツール: ChatGPT(複数の競合ページ本文を続けて貼り付けながら使う想定です。2026年7月時点では無料プランのチャットで完結し、Web検索は使いません)
03課題の整理(なぜ難しいか)
同じ商材を扱っていても、競合がどこを強みとして押し出しているかを正確に言語化できている担当者は多くありません。
- ページを読んだ直後の印象は強く残っても、時間が経つと言葉にして説明できなくなる
- 複数の競合を見比べようとすると、記憶とメモが混ざって整理がつかなくなる
- 「なんとなく良さそう」で終わり、自社の訴求と比較する材料まで落とし込めない
- 訴求の強さ(前面に出しているか、控えめに触れているだけか)まで踏み込んで記録できない
訴求ポイントを箇条書きの固定フォーマットへ書き出す作業は、ここでAIに肩代わりさせます。役割・入力データ・出力形式・制約を先に明示してから実行させる設計は、OpenAIが公式のプロンプトガイドで推奨する構造化の考え方に沿っています(出典: OpenAI公式ドキュメント)。
引用されやすい定義文書き出さずに眺めているだけでは、競合の訴求はいつまでも印象のまま記憶から薄れていきます。
04プロンプト本体
競合のページ本文を読み込み、打ち出している強みを整理して自社の訴求企画に活かしたい場面で使います。
あなたは競合分析を担当するマーケティングリサーチャーです。
以下の入力データをもとに、競合の訴求ポイントを抽出・整理してください。
■入力データ
競合ページ本文(トップページ・サービスページ等): 【競合ページ本文】
自社の業界・主要商材: 【自社の業界・主要商材】
比較したい観点(価格・実績・スピード等・あれば): 【比較したい観点】
■分析手順
1. 競合ページ本文から、強み・訴求として打ち出されている表現をすべて抜き出す。
2. 抜き出した表現を、内容の性質でグルーピングする(例: 価格・実績・スピード・
サポート体制・独自性など。実際の本文の傾向に応じてグループ名を決めること)。
あわせて、各訴求ポイントの強さ(強/中/弱)を、登場位置・繰り返し回数・
表現の具体性から常に判定する。
3. 【比較したい観点】が指定されている場合は、その観点に該当する記述の有無・
強さを重点的に整理する。
4. グループごとに、本文中の該当箇所を1つ引用する(短い抜粋にとどめること)。
5. 自社が同じ観点で訴求できていなさそうな箇所を、気づきとして1〜3点挙げる。
■出力形式
以下の列を持つ表で出力してください。
| 訴求グループ | 該当箇所の抜粋 | 強さ(強/中/弱の所感) |
表の後に、自社への気づきを箇条書きで挙げること。
■制約
- 本文中に実際に書かれている表現のみを扱い、書かれていない訴求を推測で作らないこと。
- 引用は短く抑え、長文の丸写しをしないこと。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【競合ページ本文】 | 分析対象とする競合のトップページ・サービスページのテキスト全文 | 「業界最速級の導入スピードで、最短1週間から運用開始できます」 |
| 【自社の業界・主要商材】 | 自社が属する業界・主力商材 | AI活用支援サービス |
| 【比較したい観点】 | 特に重点的に整理したい訴求の切り口(任意) | 価格訴求とスピード訴求の強さ |
※入力例はすべて架空の例です。
05出力の見方と分析の観点
表が出力されたら、次の3点を確認します。
- 訴求グループの数: グループ数が多いほど、競合は多面的にアピールしている可能性があります
- 強さの所感: あくまでAIによる主観的な判定であり、実際のページ上での見え方(配置・文字サイズ等)は自分の目でも確認してください
- 自社への気づき: そのまま自社の売り文句にコピーせず、自社の実態に合わせて言い換えてから使ってください
抽出した訴求が、結論先出しで自己完結した一文(quotable)として言い切れているかまで確認したい場合もあります。その際は、別記事『AIに引用されるコンテンツの共通点とは|3社の仕様から導く5条件』で解説している5条件が参考になります。
AI検索での見え方を体系的に最適化する手法は、別記事『Princeton GEO論文を読む|「可視性40%向上」の中身』で解説しています。
06応用パターン
応用1: 競合を複数社続けて分析する
複数の競合ページ本文を1回のプロンプト実行内で続けて貼り付ければ、業界内で「よく言われる訴求」と「まだあまり言われていない訴求」を見分けられます。
応用2: 自社ページの本文もあわせて渡す
自社ページの本文も入力データに追加すれば、自社と競合の訴求グループを1つの表に並べて比較できます。同じ表の中で強さの所感を見比べると、訴求が薄い観点に気づきやすくなります。
07注意点
抽出される訴求ポイントは、あくまでAIがページ本文から読み取った所感であり、競合の意図や戦略そのものを正確に言い当てているとは限りません。
- ハルシネーション検証: 抜粋箇所やグループ分けに誤りが含まれる場合があります。企画判断の前に、本文の原文を自分の目でも確認してください。
- 機密データの取り扱い: 自社の未公開の価格戦略や、社内限定の比較資料を【比較したい観点】に含める際は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。
- 利用規約の遵守: 競合ページの本文を保存・転載・大量収集する行為は、著作権や利用規約に抵触する可能性があります。分析目的での短い引用の範囲にとどめてください。
AIの回答は確率的に生成されるため、同じ本文を渡しても、グルーピングの粒度や強さの所感が実行のたびに変わることがあります。
本記事のプロンプト固有の限界として、AIは競合ページに書かれていない訴求(営業担当者が商談で口頭でのみ伝えている強みなど)までは拾えません。Webページの記述は対外的な建前にとどまる場合もある点を踏まえて解釈してください。
08FAQ
Q. 訴求ポイントが1つも見つからない競合ページの場合はどうすればいいですか?
トップページの情報量が少ない、または訴求が控えめな会社の場合に起こり得ます。サービス詳細ページや会社概要ページなど、別のページ本文もあわせて渡すことをおすすめします。
Q. 自社の訴求ポイントも同時に分析させることはできますか?
できます。応用2で触れたとおり、自社ページの本文もあわせて渡せば、競合との比較表を1回の実行で得られます。
Q. 抽出した訴求ポイントを、そのまま自社のページのコピーに使ってもいいですか?
おすすめしません。表現が競合と似通ってしまう可能性があるため、抽出結果は方向性の参考にとどめ、自社の言葉に言い換えてから使ってください。
09この分野を体系的に学ぶ
この記事は実践プロンプト記事です。AIOの計測・運用を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: KPI設計と計測の考え方(V-A)」をご覧ください。