競合のFAQページを一通り読んでみたものの、結局「参考になったような、ならなかったような」で終わった経験はないでしょうか。個別の質問を一つずつ確認するだけでは、競合がどんな観点をカバーしているかを構造的には把握できません。本記事は、競合のFAQページ本文をAIに渡し、質問をカテゴリ別に分類・集計させる実践プロンプトを提供します。
01この記事でわかること
- 競合のFAQページ本文をAIに渡し、質問文をカテゴリ別に分類・集計するプロンプト
- 入力する情報(競合FAQ本文・自社の業界)と、得られる出力(カテゴリ別質問リスト・自社の不足観点)
- 抽出結果を、自社FAQの企画や記事の見出し設計にどう活かすか
02結論サマリー
競合のFAQページは、自社が見落としている読者の疑問を映す鏡になり得ます。このプロンプトなら、競合FAQの質問文をカテゴリ別に分類・集計し、自社のFAQで手薄になっていそうな観点まで一度に洗い出せます。対象はあくまで一般公開されているFAQページの文言であり、競合の非公開情報や内部方針を推測する用途には使いません。集計結果は自社FAQ企画のたたき台として扱い、そのまま転用しないようにしてください。
使用AIツール: ChatGPT(貼り付けたテキストを分類・集計させるだけで完結し、無料プランでも実行可能です(2026年7月時点)。Web検索機能は使用しません)
03課題の整理(なぜ難しいか)
FAQの質問を一つひとつ数えて分類する作業は、ページ数が増えるほど手間がかかり、途中で挫折しやすい作業です。
- 質問を目視で数えるだけでは、カテゴリの偏りを定量的に把握できない
- 自社FAQと見比べる際、抜けている観点になんとなくしか気づけない
- 競合サイトを回るたびに印象だけが残り、記録として比較可能な形で蓄積されない
- 質問文の自然な言い回し(読者が実際に使いそうな疑問形)まで拾わず、自社FAQの企画に活かせていない
なお、GoogleはFAQリッチリザルトの表示を2023年に大幅縮小し、2026年5月に完全に廃止しています(出典: Google公式ドキュメント)。検索結果の見え方を変えることは、ここでの狙いではありません。競合FAQの質問傾向を読み解き、自社のコンテンツ企画に活かす方向で使ってください。
この集計作業をAIに任せれば、FAQの件数が増えても手間は一定に保てます。
引用されやすい定義文競合のFAQに並ぶ質問は、数えて分類して初めて、自社の抜け漏れを教えてくれます。
04プロンプト本体
競合のFAQページの内容を分析し、自社FAQの企画材料にしたい場面で使います。
あなたはコンテンツ企画を担当するリサーチアナリストです。
以下の入力データをもとに、質問文の分類・集計を行ってください。
■入力データ
競合FAQページの本文: 【競合FAQページの本文】
自社の業界・主要商材: 【自社の業界・主要商材】
自社FAQページの本文(比較用・あれば): 【自社FAQページの本文】
■分析手順
1. 競合FAQページの本文から、質問文をすべて抽出する。
2. 抽出した質問を、内容の傾向でカテゴリに分類する(例: 価格・使い方・導入前の不安・
トラブル対応・比較検討など。実際の質問内容に応じてカテゴリ名を決めること)。
3. カテゴリごとの質問数を集計する。
4. 【自社FAQページの本文】が入力されている場合は、競合にあって自社になさそうな
カテゴリを指摘する。入力されていない場合は、一般的な観点から自社が見落とし
やすそうなカテゴリを指摘する。
5. カテゴリごとに、質問の一例を1つ添える。
■出力形式
以下の列を持つ表で出力してください。
| カテゴリ | 質問数 | 質問例 |
表の後に、自社で不足していそうな観点を箇条書きで3つまで挙げること。
■制約
- 実際にFAQページの本文中に存在する質問文のみを扱い、存在しない質問を創作しないこと。
- カテゴリ名は本文の実際の傾向に基づいて決め、あらかじめ決まった型に無理やり
当てはめないこと。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【競合FAQページの本文】 | 分析対象とする競合のFAQページのテキスト全文 | 「Q. 解約はいつでもできますか A. ...」 |
| 【自社の業界・主要商材】 | 自社が属する業界・主力商材 | AI活用支援サービス |
| 【自社FAQページの本文】 | 自社の既存FAQ本文。あれば比較精度が上がる(任意) | 「Q. 料金プランは何種類ありますか A. ...」 |
※入力例はすべて架空の例です。
05出力の見方と分析の観点
表が出力されたら、次の3点を確認します。
- 質問数が多いカテゴリ: 競合が力を入れて回答している観点であり、読者の関心が高い可能性を示します
- 自社の不足観点として挙げられた項目: そのままFAQ企画の候補になりますが、優先度は自社の商材特性に合わせて判断してください。なお、自社FAQ側の網羅性点検は、別記事『自社FAQページの網羅性をAIで点検する実践プロンプト設計』で扱っています
- 質問例の言い回し: 検索されそうな自然な疑問形の文言は参考になりますが、そのまま拝借せず自社の言葉に言い換えてください
抽出したカテゴリをそのまま記事の見出し候補として展開する使い方については、別記事『FAQ・HowTo構造化データと引用率の関係を一次データで検証』も参考になります。同記事で解説しているとおり、FAQリッチリザルト自体は2026年5月に終了しているため、狙いはリッチリザルト対策ではなく見出し設計に置いてください。
06応用パターン
応用1: 競合を3社以上に増やして横比較する
複数の競合FAQページ本文を続けて貼り付け、同じ質問データとして扱えば、業界内で共通してよく聞かれているカテゴリと、1社だけが扱っている珍しいカテゴリを見分けられます。
応用2: 抽出したカテゴリをHowTo記事の見出し候補に転用する
カテゴリ名と質問例をそのまま記事の見出し案として使えば、企画会議のたたき台を短時間で用意できます。競合のAI検索での露出状況そのものを幅広く調べたい場合は、別記事『競合のAI検索露出を分析する方法|無料手順と専用ツール比較』も参考になります。
07注意点
このプロンプトが行うのは質問文の分類・集計であり、SEO上の順位やAI検索での引用を保証するものではありません。
- ハルシネーション検証: カテゴリ分類や集計結果に誤りが含まれる場合があります。企画判断に使う前に、抽出された質問文を本文と突き合わせて確認してください。
- 機密データの取り扱い: 自社の未公開の商品情報や、顧客からの問い合わせ内容を【自社FAQページの本文】に含める際は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。
- 利用規約の遵守: 競合サイトの本文を大量に・自動的に収集する行為は、当該サイトの利用規約に抵触する可能性があります。公開ページの手動確認・引用の範囲にとどめてください。
AIの回答は確率的に生成されるため、同じ本文を渡しても、カテゴリの分け方が実行のたびに多少変わることがあります。
本記事のプロンプト固有の限界として、AIは質問の「実際の検索頻度」までは判定できません。渡された本文に書かれている質問の数しか数えられないため、競合サイトが特定の質問を意図的に目立たせている可能性なども踏まえて解釈してください。
08FAQ
Q. 抽出したカテゴリ名は毎回同じになりますか?
実行のたびに表現が多少変わることがあります。カテゴリ名を固定したい場合は、■分析手順に「カテゴリは価格・使い方・比較検討のいずれかに固定する」のように具体的な条件を追加してください。
Q. 自社のFAQページがまだない場合でも使えますか?
使えます。【自社FAQページの本文】は任意入力のため、空欄のままでも実行できます。その場合はAIが一般的な観点から自社が見落としやすそうなカテゴリを提案します。
Q. 抽出した質問リストを、そのまま自社FAQページに転用してもいいですか?
そのままの転用はおすすめしません。表現が競合と酷似してしまうため、自社の言葉・自社の商材に合わせて書き直してから採用してください。
09この分野を体系的に学ぶ
この記事は実践プロンプト記事です。AIに引用されるコンテンツの作り方を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「コンテンツ編: フォーマット別実践(IV-B)」をご覧ください。