検索エンジン市場のシェアを見る前に、押さえておくべき事実があります。コロンビア政府は2025年2月15日、国家AI政策CONPES4144を正式に承認しました(出典: コロンビア情報通信技術省)。本稿は、この政策動向とあわせて、検索エンジン市場の実態を一次情報から整理します。

01結論サマリー

コロンビア政府は2025年2月15日、国家AI政策CONPES4144を承認しました(出典: コロンビア情報通信技術省)。情報通信技術省(MinTIC)・科学技術革新省(MinCiencias)等の連携による政策で、2030年までに約4,790億コロンビアペソを投じる、6つの戦略軸から成ります。

コロンビアの検索エンジン市場でGoogleは94.12%を占めています(出典: Statcounter、2026年6月)。この数値は、本メディアが扱ってきた南北アメリカ各国の中で最も高い水準です。むしろ注目すべきは、AIチャットボットの週次ニュース利用率が9%に達した点です。前年比では3ポイントの増加です(出典: Reuters Institute Digital News Report 2026)。

日本企業がコロンビア向けにAI検索対応を検討する際は、市場シェアの構造よりも、この制度整備とAI利用の伸びという2つの動きを先に理解する必要があります。

02検索エンジン市場の実態(シェア実測)

検索エンジンシェア
Google94.12%
Bing3.93%
Yahoo!1.58%
DuckDuckGo0.17%
Yandex0.1%
Ecosia0.06%

出典: Statcounter Global Stats(全デバイス合算・2026年6月)

この数値は、別記事『南北アメリカのAI検索地図|市場シェアと規制の違いを読む』が報告した南米地域計90.94%を上回ります。アルゼンチンの93.92%をも超えており、南北アメリカで最も高い集中度です。中南米の中でも、Googleへの依存度が高い市場だといえます。

本稿のシェア数値はStatcounter単独の実測にもとづいており、コロンビア政府による独自の市場調査データとの突合は本稿執筆時点で確認できていません。Statcounterは加盟サイト群のページビューをタグ計測する方式のため、サイト構成の偏りに由来する誤差が生じうる点にご留意ください。

📊 図解制作中
コロンビアの検索エンジン市場シェアの構成比。Google94.12%を中心の大きな要素とし、Bing3.93%・Yahoo!1.58%・その他0.33%を円グラフ相当の構成比で示す図

03AI検索の普及状況

コロンビアのAIチャットボット市場では、ChatGPTが75.99%を占めています(出典: Statcounter、2026年6月)。

サービスシェア
ChatGPT75.99%
Google Gemini12.37%
Claude3.98%
Microsoft Copilot3.94%
Perplexity3.71%

出典: Statcounter Global Stats(AIチャットボット市場シェア、2026年6月)

コロンビアでAIチャットボットを週次でニュース利用する人の割合は9%です(出典: Reuters Institute Digital News Report 2026)。前年比では3ポイントの増加です。インターネット普及率は79%、ニュース全般への信頼度は25%で前年比7ポイント低下し、世界平均37%を12ポイント下回っています。ニュースを時々・頻繁に回避する人の割合は49%(前年比5ポイント増)、インターネット上の真偽判断に懸念を持つ人は60%にのぼります(出典: 同レポート)。

ニュース全般への信頼度低下とAIチャットボットのニュース利用増加が同時に進行している点は、相関として観察できます。ただし因果関係を示す一次情報は、本稿執筆時点で確認できていません。

04現地の取り組み・実例

自社サイトのAI検索経由の可視性を数値で示したコロンビア企業の事例を探しましたが、本稿執筆時点で一次情報にはたどり着けませんでした。確認できたのは、企業側の事例ではなく、政府が主導する国家AI政策CONPES4144の中身です。以下はこの政策文書を軸に整理します。

コロンビア国家経済社会政策審議会(CONPES)は2025年2月15日、AIに関する政策文書CONPES4144を承認しました(出典: コロンビア情報通信技術省)。策定を主導したのはMinTIC・MinCiencias・国家計画局(DNP)の3機関で、大統領府行政局(DAPRE)などが参加機関に加わっています。2030年までに約4,790億コロンビアペソを投じる計画になっています。

政策は6つの戦略軸で構成されます。ガバナンスと倫理・技術基盤の整備・研究開発とイノベーション・デジタル人材の育成・リスク低減・官民でのAI活用推進です(出典: コロンビア情報通信技術省)。

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コロンビアの国家AI政策CONPES4144の6つの戦略軸を示す図。ガバナンスと倫理/技術基盤/研究開発とイノベーション/デジタル人材/リスク低減/官民でのAI活用推進を並べた構造図

05規制・政策

コロンビアのデータ保護法制は、2012年制定のLey1581が基盤です。

制度時期概要
データ保護法(Ley1581)2012年制定個人データの収集・保管・利用等を規律。監督機関はSIC
国家AI政策(CONPES4144)2025年2月15日承認2030年までに約4,790億ペソを投じる6軸の計画

出典: DLA Piper Data Protection Laws of the World/コロンビア情報通信技術省

Ley1581の監督機関は産業商業監督庁(Superintendencia de Industria y Comercio、SIC)です。SICはデータの不適切な収集・保管・利用・移転・廃棄を調査し、最大約95万5,500米ドル相当の制裁金を科す権限を持つと報告されています(出典: DLA Piper)。AI専用の包括的な法律は、本稿執筆時点でコロンビアにまだ制定されていません。既存のデータ保護法制とCONPES4144という政策文書が、現時点の規制環境の土台です。

06日本企業への示唆

  1. CONPES4144が掲げる6つの戦略軸のうち、ガバナンスと倫理・リスク低減の進捗を継続的に確認してください。 政策文書の承認は規制の出発点であり、今後の具体的な法制化・ガイドライン整備が実務に影響します。
  2. Ley1581にもとづき、コロンビア国内のユーザーデータを扱う場合はSICへの登録・通知義務の要否を専門家に確認してください。 データ保護の監督機関が明確に存在する点は、他の中南米新興市場と比べた際の準備のしやすさにつながります。
  3. 国家AI政策CONPES4144が2030年までに約4,790億コロンビアペソを投じる計画である一方、自社の可視性データはまだ乏しいのが実情です。 コロンビア固有のAIO対応事例が確認できない現時点では、AI経由流入をGA4・Search Console等で自前に測定し始めることが優先です。この自社計測こそが、公的投資の動きに先んじて備える最初の一歩になります。

中南米の他国と比較する場合は、それぞれの個別記事もあわせてご覧ください。LGPDを軸とするブラジルは、別記事『ブラジルAI検索市場の現在地|LGPDと国家AI計画の接点』で解説しています。ニアショアリングが進むメキシコは、別記事『メキシコのAI検索基盤|ニアショアリングと大型デジタル投資』で解説しています。インフレ下にあるアルゼンチンは、別記事『アルゼンチンAI検索市場を読む|経済環境とデータ保護法改正』で解説しています。AIOという概念そのものを基礎から押さえたい場合は、別記事『AIOとは何か?SEOとの違い・共通点から始め方まで徹底解説』が参考になります。

07FAQ

Q. コロンビアのCONPES4144とは何ですか?

コロンビア政府が2025年2月15日に承認した国家AI政策文書です。2030年までに約4,790億コロンビアペソを投じ、ガバナンスと倫理・技術基盤・研究開発等6つの戦略軸で構成される計画です(出典: コロンビア情報通信技術省)。

Q. コロンビアでAIチャットボットの利用は増えていますか?

Reuters Institute Digital News Report 2026によれば、AIチャットボットの週次ニュース利用率は9%です。前年比では3ポイントの増加で、世界的な傾向と方向性は一致しています。

Q. コロンビアのデータ保護法制はどこが監督していますか?

2012年制定のLey1581にもとづき、産業商業監督庁(SIC)が監督機関です。データの不適切な収集・保管・利用等を調査し、行政制裁を科す権限を持つと報告されています。

08この分野を体系的に学ぶ

この記事は国・地域プロファイル記事です。海外のAI検索規制・市場動向を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「事例編: ケーススタディ徹底分析(VI-C)」をご覧ください。