記事の中で「〜という調査結果があります」と書きたくなった瞬間、その調査自体をまだ探していないことに気づくことがあります。闇雲に検索するより先に、どんな性質の情報源を探せばよいかの見当をつけておくと、その後の検索が早く終わります。この記事で扱うプロンプトが返すのは、URLそのものではなく、探すべき情報源の種類と検索キーワードです。

01この記事でわかること

  • 記事の主張ひとつずつに対し、裏付けとなる一次情報の種類と検索キーワードをAIに提案させるプロンプト
  • 入力する情報(記事テーマ・裏付けが必要な主張)と、得られる出力(情報源の種類・検索キーワード案・裏付けられる範囲)
  • 提案されたキーワードをどう検索し、見つかった情報源をどう記事に反映するか

02結論サマリー

一次情報の候補を探すという作業は、AIに任せると出典URLを捏造されるリスクが特に高い場面です。出力の対象をURLではなく「情報源の種類」と「検索キーワード」に絞ることで、この捏造リスクを設計の時点で抑えられます。裏付けが必要な主張ごとに、公的統計や学術論文などどの種類の情報源が向いているかと、読者自身が検索する際のキーワード案がセットで返ってきます。最終的にその情報源へたどり着き、内容を確認するのは読者自身の作業です。

使用AIツール: Perplexity(Web検索を前提とするツールのため標準機能のみで完結します。無料プランでも利用できます。2026年7月時点の情報にもとづきます)

Perplexityは回答に番号付きの出典を添えて情報源へリンクする設計だと公式ヘルプで説明されています(出典: Perplexity公式ヘルプ、2026年7月時点)。

引用されやすい定義文

一次情報を探すプロンプトで最も危ういのは、存在しないURLを自信満々に提示してくることです。

03課題の整理(なぜ難しいか)

記事の主張に一次情報を添えるには、まずその情報がどこにありそうかという見当をつける必要があります。この見当をつける工程は、検索して情報を見つける工程より前の、地味だが時間のかかる作業です。

  • 主張のジャンルによって、探すべき情報源の性質(公的統計なのか学術論文なのか)がまったく異なる
  • 検索キーワードの選び方ひとつで、同じ主張でもヒットする情報の質が変わる
  • AIに「出典を教えて」とだけ頼むと、実在しないURLや論文名を作り出してしまう場合がある
  • 情報源が本当に存在しないのか、単に検索の仕方が悪いだけなのかを、都度切り分けるのが難しい

この後のプロンプトでは、Web検索で存在を確認できた種類の情報源だけを扱い、確認できない主張には無理に出典をつけない設計にしています。すでに引用している出典が一次情報と二次情報のどちらに当たるかを判定したい場合は、別記事『自社サイトの一次情報量をGeminiで評価するプロンプト実践』が担当領域です。この記事が扱うのは、まだ出典すら決まっていない主張に対して、探す方向性を示す手前の工程です。

04プロンプト本体

新しい記事を書いていて、根拠が必要な主張は思いついたものの、その裏付けとなる情報源にまだ心当たりがない場面で使います。

あなたはAI検索領域のリサーチアシスタントです。Web検索機能を使い、
以下の主張を裏付けられる一次情報の「種類」と「探し方」を提案してください。

■入力データ
記事テーマ: 【記事テーマ】
裏付けが必要な主張(箇条書き): 【裏付けが必要な主張】

■調査手順
1. 【裏付けが必要な主張】の項目ごとに、Web検索を使ってどのような性質の
   一次情報(公的統計・所管省庁の発表・業界団体の統計・学術論文・
   企業のIR資料・公式ヘルプページ等)が実際に存在しそうかを確認する。
2. 存在が確認できた情報の「種類」と、読者自身がその情報にたどり着くための
   検索キーワード案を2〜3パターン考える。
3. その情報源で主張の何が裏付けられ、何は裏付けられない(主張の一部にとどまる等)
   かを整理する。

■出力形式
【裏付けが必要な主張】の項目ごとに、以下の表形式で出力してください。
| 主張 | 推奨する情報源の種類 | 検索キーワード案 | 裏付けられる範囲 |
表にURL・具体的な組織名・ページ名は含めないこと。

■制約
- 出力に具体的なURL・具体的なページ名・特定の組織名を書かないこと。情報源は
  「公的統計」「所管省庁の発表」などの種類の説明にとどめること。
- Web検索で実際にその種類の情報が存在することを確認したうえで提案すること。
  検索しても該当する情報源が見つからない主張については、「一次情報が
  見つからない」と明記し、種類を無理に創作しないこと。
- 検索キーワード案は、読者が自分でその情報源を探し当てられる具体性を
  持たせること。単なる主張の言い換えではなく、実際に検索窓に打ち込める
  語の組み合わせにすること。

使う変数

変数説明入力例
【記事テーマ】執筆中の記事のテーマAIO関連の記事(架空例)
【裏付けが必要な主張】出典が必要な主張を箇条書きで列挙【架空例】「AI検索経由の流入は前年から増加している」

※入力例はすべて架空の例です。

📊 図解制作中
プロンプトの入力から出力までの流れ。要素は「記事テーマと裏付けが必要な主張の入力」「AIがWeb検索で情報源の種類の実在を確認」「情報源の種類・検索キーワード案・裏付けられる範囲の一覧出力」の3ステップ。関係性は一連のフロー

05出力の見方と分析の観点

  • 「情報源の種類」列を確認し、表に挙がった検索キーワードをそのまま検索窓に入力してみる
  • 「裏付けられる範囲」列は、主張の一部しか支えない情報源も含まれるため、主張全体を裏付けられるかを見極める材料にする
  • 情報源が「見つからない」と明記された主張は、無理に一次情報を探すより、主張自体の書き方を弱める選択肢も検討する

検索して実際にページが見つかった場合は、そのページを開いて記載内容が主張と一致しているかを必ず自分の目で確認します。

📊 図解制作中
検索結果ごとの対応分岐図。要素は「AIが提案したキーワードで実際に検索」「情報源が見つかった場合→開いて内容を確認し出典として明記」「見つからなかった場合→主張に要確認の注記を付けるか主張自体を見送るかを検討」。関係性は検索結果にもとづく分岐

06応用パターン

応用1: 複数の主張をまとめて処理する

1本の記事に含まれる主張をすべて【裏付けが必要な主張】にまとめて入力すれば、記事単位で一次情報の手当て状況を一覧できます。

応用2: 公開済み記事のその旨の注記を埋める

すでに公開した記事に残るその旨の注記の箇所を主張として入力すれば、後付けで一次情報の候補を探す用途にも使えます。数値そのものが現行でも正しいかの確認は、別記事『既存記事のファクトチェックをAIに依頼する実践プロンプト』のプロンプトが専門に扱っています。

07注意点

Web検索を使っていても、AIが「この種類の情報源が存在するはずだ」と判定すること自体が誤っている場合があります(2026年7月時点)。表に挙がった検索キーワードで実際に検索し、情報源が本当に見つかるかを確認する工程は省略できません。

AIの判定には誤りが含まれる場合があります。特に「裏付けられる範囲」の説明は、そのまま信じず、実際に見つけた情報源の記載内容と照らし合わせてください。

未公開の企画中の主張や、社外秘の数値を含む内容をプロンプトに含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。

検索結果を業務フローに組み込む場合や、自動化して大量の主張を繰り返し処理する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。

AIの回答は実行のたびに揺らぐため、同じ主張でも複数回実行し、提案される情報源の種類が安定しているかを確認することをおすすめします。

08FAQ

Q. AIが提案した検索キーワードで探しても、情報源が見つからない場合はどうすればいいですか?

無理に一次情報をあてがわず、主張の書き方を「〜という調査結果があります」から「〜という声もあります」のように和らげるか、その主張自体を記事から外すことを検討してください。一次情報が見つからないという結果も、有益な確認のひとつです。

Q. このプロンプトが提案した情報源の種類を、そのままprimary_sourcesに書いてもいいですか?

いいえ。提案されるのはあくまで種類とキーワードであり、実在する具体的なURLではありません。実際に検索して見つけたページを自分の目で確認したうえで、そのURLをprimary_sourcesに記載してください。

Q. Perplexity以外のAIツールでも、このプロンプトは使えますか?

Web検索機能を備えたAIツールであれば、基本的な考え方は流用できます。ただし出力の精度はツールの検索範囲に左右されるため、複数のツールで試して結果を見比べることをおすすめします。

09この分野を体系的に学ぶ

この記事は実践プロンプト記事です。AIに引用される文章の作り方を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「コンテンツ編: 引用のメカニズムと原則(IV-A)」をご覧ください。