週に一度、ChatGPTに自社名を聞いてみる担当者の方は増えています。ただし毎回違う質問文や違うメモの取り方で記録すると、前週との比較がすぐに難しくなります。そのブレを防ぐ鍵は、質問文と出力フォーマットを毎週固定してしまうことです。

01この記事でわかること

  • 毎週同じ質問セットと前週の記録をAIに渡し、そのままスプレッドシートに転記できる週次記録表を出力するプロンプト
  • 入力する情報(固定の質問セット・前週の記録)と、得られる出力(言及有無・文脈・前週比フラグを含む記録表)
  • この週次記録を、月次サマリーやブランド言及チェックの土台としてどう位置づけるか

02結論サマリー

自社名についてAIに毎週質問しても、記録の形式が週によって違えば、後から比較できる資料にはなりません。毎週の質問文と前週の記録をAIに渡すと、そのままスプレッドシートに転記できる表形式で出力されます。この週次記録は単発のチェックではなく、同じ形式で貯め続けることを前提にした記録専用のプロンプトです。4週分たまった記録は、そのまま月次のまとめに使う入力データになります。

使用AIツール: ChatGPT(Web検索機能を使って質問します。質問内容によっては手動でオンにしなくても自動で検索されると案内されています(出典: OpenAI公式ヘルプ、2026年7月時点))

引用されやすい定義文

毎週の記録は、いま役立つ資料としてではなく、4週間後にまとめて読み返す自分のための資産として積み上がっていきます。

03課題の整理(なぜ難しいか)

週に一度AIに自社名を聞くこと自体はすぐにできますが、その記録を毎週同じ形式で残し続けるのは案外長続きしません。

  • 質問文をその都度考えて入力してしまい、先週と表現が微妙に変わってしまう
  • 回答をメモ帳やチャット画面のスクリーンショットのまま残し、あとで見返しづらい形式になる
  • 前週の記録がどこにあるか分からなくなり、比較を省略してしまう
  • 自社ブランドの言及有無を初めて確認する作業(別記事『自社ブランドの言及をChatGPTでチェックする方法|プロンプト付き』)と、毎週の記録作業を同じやり方で続けようとして、負担が大きくなる

この記録作業は、週30分の運用モデル全体を解説した別記事『無料で始めるAI可視性モニタリングの方法【週30分・今日から】』の一部として組み込むことを想定しています。本記事が扱うのは、その中でも記録の型と転記フォーマットに絞った部分です。

この転記のブレをなくすには、AIに固定フォーマットで出力させ、そのまま貼り付けられる状態を毎回作ることが有効です。

04プロンプト本体

毎週決まった曜日に、ChatGPTへ自社名や関連キーワードについて質問し、その結果を記録として残したい場面で使います。

あなたは自社のAI言及状況を継続的に記録するリサーチアシスタントです。
以下の入力データをもとに、今週の回答を記録し、前週の記録と合わせて
そのままスプレッドシートに転記できる表形式で出力してください。

■入力データ
質問文セット(毎週同じものを使う): 【質問文セット】
自社名・主要商品名: 【自社名・主要商品名】
前週の記録: 【前週の記録】

■記録手順
1. 【質問文セット】の各質問について、Web検索を使って回答を生成する。
2. 回答内に【自社名・主要商品名】への言及があるかを判定する。
3. 言及がある場合、どのような文脈(推薦/比較対象/注意喚起等)で登場したかを
   1〜2語で要約する。
4. 【前週の記録】が入力されている場合は、質問ごとに前週の言及有無と比較し、
   「新規言及」「言及消失」「変化なし」のいずれかをフラグとして付ける。
5. 【前週の記録】が未入力(初回実行)の場合は、比較を行わず、
   全項目のフラグを「初回記録」とする。

■出力形式
質問文セットごとに、以下の列を持つ表で出力してください。
| 質問No. | 言及有無 | 登場文脈(1〜2語) | 前週比フラグ | 記録日 |

■制約
- 憶測で言及内容を作らないこと。回答内に実際に書かれていた内容のみを
  記録すること。
- 言及がなかった質問についても「言及なし」と明記し、行を省略しないこと。
- 表の列名・列の並び順は、毎週まったく同じ形式を維持すること。
- 表には「記録日」列を設け、実行日の日付を明記すること。

使う変数

変数説明入力例
【質問文セット】毎週同じ内容で使う固定の質問文リスト「上記の業界でおすすめの会社は?」等3〜5問(架空例)
【自社名・主要商品名】記録対象とする自社名・主力商品名株式会社サンプル/AIOコンサルティング(架空例)
【前週の記録】前回実行時に保存しておいた記録表(初回は空欄)(前週の実行結果をここに貼り付け・初回は未入力)(架空例)

※入力例はすべて架空の例です。

📊 図解制作中
週次記録プロンプトの入力から出力までの流れ。要素は「固定の質問セット・自社名・前週の記録の入力」「AIがWeb検索で回答を生成し前週と比較」「言及有無・文脈・前週比フラグを含む表の出力」の3ステップ。関係性は一連のフロー

05出力の見方と分析の観点

出力された表は、まず「前週比フラグ」の列を確認します。

  • 「新規言及」: 今週初めて言及された質問です。何がきっかけで言及されたか、公開したコンテンツや実施した施策と照らし合わせて確認する価値があります
  • 「言及消失」: 前週まであった言及が今週は見られなかった質問です。AIの回答の揺らぎか、実態の変化かは1回の記録だけでは判断できません
  • 「変化なし」: 継続して言及がある、または継続して言及がない状態です。件数が多い週は、大きな動きがなかったことを示します
📊 図解制作中
週次記録が4週分積み重なって月次サマリーの入力になる構造図。要素は「週1の記録」「週2の記録」「週3の記録」「週4の記録」を縦に積み上げ、その上に「月次サマリーへの入力」を配置する。関係性は積み上げ構造

4週分の記録がまとまった時点で、別記事『月次の自社AI可視性サマリーをAIにまとめさせるプロンプト』へそのまま渡せば、週ごとの増減を1つの傾向として読み替えられます。1週分だけを見て一喜一憂せず、まずは記録を貯めることを優先してください。

06応用パターン

応用1: 前週比の増減を出力表にそのまま反映する

「新規言及」「言及消失」の件数を表の末尾に1行で集計するよう指示を追加すれば、週次の記録を見た瞬間に増減の規模感をつかめます。

応用2: 複数の商品ライン・ブランドを1つの記録表で管理する

【自社名・主要商品名】に複数のブランド名を並べて入力し、「ブランドごとに行を分けて出力してください」と指示を足せば、1回の実行で複数ブランドの週次記録をまとめられます。

07注意点

毎週同じ質問文で記録していても、AIが出力する表の列名や語尾表現が週によって微妙に変わることがあります。列がずれたままスプレッドシートに転記すると、後から見返したときに集計を誤る原因になります。転記前に必ず列の並びを確認してください。

AIの出力には誤りが含まれる場合があります。特に登場文脈や前週比フラグは、そのまま信じず出力元の回答本文を読み比べてから記録してください。

自社の未公開の経営情報や、顧客の個人情報を含む質問文をプロンプトに含めないでください。機密性の高い情報を扱う場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認することをおすすめします。

出力結果を社外に共有する際や、自動化して大量に実行する際は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。

AIの回答は実行のたびに揺らぎ、同じ質問文でも言及の有無や文脈の要約が変わることがあります。「言及消失」のフラグが出た週は、翌週も同じ結果が続くかを確認してから判断することをおすすめします。

08FAQ

Q. 毎週決まった曜日に実行できなかった場合、記録はどう扱えばいいですか?

1週飛んでしまった場合は、次回実行時に「前週の記録」として2週前のものをそのまま使って構いません。ただし記録日の欄に実行日を明記し、期間が空いたことがあとで分かるようにしておくことをおすすめします。

Q. 質問文セットは何問くらいが週次運用に向いていますか?

毎週続けることを優先するなら、3〜5問程度に絞ることをおすすめします。問数が多いほど精度は上がりますが、負担が増えると運用が止まりやすくなります。

Q. この記録は、自社だけでなく競合の把握にも使えますか?

使えます。【自社名・主要商品名】の部分を競合他社の名前に差し替えれば、同じプロンプトで競合の週次記録も残せます。競合を対象にした月次の定点観測は、別記事『月次で競合のAI露出をウォッチする定例運用プロンプト設計』で扱っています。

09この分野を体系的に学ぶ

この記事は実践プロンプト記事です。AIO運用の体制やレポート設計を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「計測・運用編: 運用体制・レポート・改善サイクル(V-D)」をご覧ください。