構造化データを実装したページのうち、公開前に検証を経ないまま本番へ出てしまうケースは珍しくありません。加えて、以前はよく使われていた検証ツールの中には、すでに終了しているものもあります。本記事では、現在Googleが公式に推奨するテストツールの使い方と、廃止済みツールとの見分け方を解説します。

01この記事でわかること

  • 現行の公式ツール2つ(Rich Results Test・Schema Markup Validator)の役割分担
  • すでに終了している旧ツールと、混同してはいけない理由
  • 各ツールの具体的な使い方(URL入力・コード貼り付けの手順)
  • Search Consoleでの継続的な監視方法

02結論サマリー

結論から述べると、構造化データの検証には現在、2つのツールを使い分けます。Google公式の「Rich Results Test」と、Schema.orgコミュニティが運営する「Schema Markup Validator」です。かつて存在した「Structured Data Testing Tool」は2021年8月にGoogle側のサポートが終了しており、現在は使えません。

検証は実装して終わりではなく、Search Consoleでの継続監視までを含めて設計する必要があります。リッチリザルトの対象は年々見直されており、直近ではFAQ rich resultsが2026年5月に廃止されました。ツールの使い方とあわせて、この変化点も本文で解説します。

03構造化データのテスト・検証ツールとは(基礎定義)

引用されやすい定義文

構造化データのテスト・検証ツールとは、実装したマークアップの正しさを機械的に確認するツールです。

代表的な対象はJSON-LDで、検索エンジンの仕様に沿って正しく読み取れるかをチェックします。構造化データの書き方そのものは、別記事『JSON-LDの書き方基礎|3つの実装例で学ぶハンズオンガイド』で解説しています。本記事は、書いたマークアップが正しいかを確認する後工程に焦点を当てます。両者は実装→検証→公開というワンセットの工程であり、検証を省略すると、構文エラーに気づかないまま公開してしまうリスクが残ります。

なお、検証ツールでエラーがないことと、AI引用が増えることは別の話です。SSRN論文では、初期分析で見えた相関が交絡要因の補正後に消え、同じ研究内でも分析段階で結論が変わっています。詳しくは別記事『Schema markupとAI引用の相関|SSRN論文検証』で扱っています。本記事のツールは、あくまで構文の正しさを確認するためのものと位置づけてください。

04現在使うべき公式ツール2つ

構造化データの検証で現在使うべき公式ツールは、次の2つに整理されます。

ツール名運営元検証範囲主な用途
Rich Results TestGoogleGoogleのリッチリザルトに対応した項目のみ自社ページがGoogle検索でリッチリザルトの対象になるか確認する
Schema Markup ValidatorSchema.orgコミュニティschema.org仕様全般Google固有の警告を含めず、構文自体の正しさを幅広く確認する

Google Search Central公式ドキュメントは、まずRich Results Testから始めることを案内しています。より汎用的な検証には、Schema Markup Validatorを使う使い分けです(出典: Google Search Central「構造化データの一般ガイドライン」)。Rich Results Testは、対応するのがGoogleのリッチリザルトに関わる項目に限られる点に注意が必要です。

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現行2ツールとSearch Consoleレポートの役割分担を比較する図。Rich Results Test(個別URL・Google固有のリッチリザルト対応)、Schema Markup Validator(個別URL・schema.org仕様全般)、Search Consoleのリッチリザルトレポート(サイト全体・継続監視)の3つを、検証対象の範囲(個別URL⇄サイト全体)と用途で並べて比較する

05もう使えない旧ツールに要注意

構造化データの検証方法を検索すると、今でも「Structured Data Testing Tool」という名称を紹介する記事が見つかります。しかしこのツールは、現在の検証手順には使えません。

Rich Results Testは2020年7月に正式版へ移行しています。旧Structured Data Testing Toolの終了方針は、同年12月のGoogle公式ブログで告知されました。

業界からの反発を受け、Googleはこのツールをschema.orgコミュニティへ移管しました。2020年12月に移行方針が発表され、2021年5月にschema.org側でSchema Markup Validatorが公開されました。Google自身によるサポートは2021年8月に終了しています。

現在、旧ツールのURLにアクセスすると、Rich Results TestまたはSchema Markup Validatorへ案内するページへリダイレクトされます。「Structured Data Testing Tool」という名称の解説記事を見かけた場合は、更新日が古い可能性を疑い、本記事で紹介する現行2ツールを使うようにしてください。

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構造化データ検証ツールの変遷を示すタイムライン図。2020年7月(Rich Results Test正式版化)→2020年12月(旧ツール終了方針をGoogle公式ブログで告知)→2021年5月(schema.org側でSchema Markup Validator公開)→2021年8月(Google側サポート終了)→現在(Rich Results Test/Schema Markup Validatorの2本立て)という時系列の推移

06Rich Results Testの使い方

Rich Results Testは、次の手順で使用します。

  1. https://search.google.com/test/rich-results にアクセスする
  2. 検証方法を選ぶ: 公開済みのページを検証する場合は「URL」を、未公開のコードを検証する場合は「コードスニペット」を選ぶ
  3. URLまたはコードを入力し、テストを実行する
  4. 検出されたリッチリザルトの候補を確認する: ページから検出可能なリッチリザルトの種類が一覧表示される
  5. エラー・警告の内容を確認する: 該当プロパティ名とともに、問題の詳細が表示される
  6. プレビューで表示イメージを確認する: 対応するリッチリザルトについて、検索結果での見え方を確認できる

Rich Results Testは、Search Console内からも実行できます。Search Consoleに登録済みのサイトであれば、URL検査ツールと連携した形で同様の検証が可能です。

実際の検証で頻出するエラーには、次の2種類があります(出典: Search Console ヘルプ「Rich result error messages」)。

エラー表示意味対処法
Missing field 'プロパティ名'指定された必須プロパティが欠落している、または値が空になっている該当プロパティを、要求されている形式で追加する
Invalid object type for field 'プロパティ名'プロパティの値が、期待されるデータ型と一致していない該当プロパティに求められる正しいデータ型に修正する

必須プロパティが1つでも欠けると、そのページはリッチリザルトの対象になりません(出典: Google Search Central「構造化データの一般ガイドライン」)。エラーメッセージにはプロパティ名が具体的に表示されるため、該当するリッチリザルトの型別ドキュメントと照らし合わせて修正すれば、大半のケースは解消できます。

07Schema Markup Validatorの使い方

Schema Markup Validatorは、次の手順で使用します。

  1. https://validator.schema.org/ にアクセスする
  2. URLまたはコードを入力し、「Run Test」を実行する
  3. 検出されたマークアップの一覧を確認する: schema.org仕様に含まれるプロパティが、Google固有の絞り込みなしで幅広く表示される
  4. エラー・警告を確認する: 必須プロパティの欠落や型の不一致など、構文レベルの問題が表示される

Rich Results TestはGoogleのリッチリザルト対応項目に限定されます。一方Schema Markup Validatorはschema.org仕様全体を対象にするため、Googleが未対応のプロパティも含めて確認できます。両者は競合するツールではなく、目的に応じて併用するものと捉えてください。著者情報のPerson schemaを検証する際の検出項目の読み方は、別記事『著者Person schemaの書き方とE-E-A-T効果』でも扱っています。

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実装から公開までの検証フロー図。①JSON-LDを実装→②Rich Results Testで自社ページ・コードを検証→③Schema Markup Validatorで構文全般を検証→④エラー・警告を確認して修正→⑤修正後に再検証、というループを示す。関係性は手順の反復フロー

08Search Consoleでの継続監視

ツールでの検証は、公開前後の一時的なチェックに向いています。公開後の継続的な監視には、Search Consoleの「拡張」セクションにあるリッチリザルトレポートを使います。

このレポートは、サイト全体でGoogleが検出した構造化データの有効性をサンプル監視するものです。有効・無効アイテムの件数を時系列で追跡できます。特定のURLに影響する問題を詳しく確認したい場合は、レポートから対象URLを選びます。そのうえでURL検査ツールを開き、詳細を確認する流れになります(出典: Search Console ヘルプ「リッチリザルトレポートの概要」)。

なお、Googleが監視するリッチリザルトの種類は固定ではありません。FAQ rich resultsは2026年5月7日を境に検索結果へ表示されなくなりました。Search ConsoleとRich Results TestでのFAQ関連サポートも、段階的に廃止が進んでいます。出典はGoogle Search Central「FAQPageの構造化データ」です。

FAQPage自体のマークアップはschema.orgの型として引き続き有効ですが、リッチリザルトとしての表示は期待できなくなりました。

FAQ・HowTo構造化データと引用率の関係は、別記事『FAQ・HowTo構造化データと引用率の関係を一次データで検証』で詳しく扱っています。この事例が示す通り、検証ツールを使う際は、対象のリッチリザルト自体が現在も有効かを合わせて確認することが欠かせません。

09チェックリスト

  • Rich Results Testで、自社の主要ページを検証している
  • Schema Markup Validatorで、schema.org仕様全体としての構文エラーがないか確認している
  • 参照しているツール解説記事が「Structured Data Testing Tool」という旧ツール名を使っていないか確認している
  • Search Consoleのリッチリザルトレポートを、公開後も定期的に確認している
  • 検証対象のリッチリザルトが、現時点でもGoogle検索に表示される種類かを確認している

10よくある失敗

旧ツール名で検索した情報を鵜呑みにしてしまう。「Structured Data Testing Tool」を紹介する記事は今も検索で見つかりますが、実体は2021年8月に終了しています。更新日を確認するようにしてください。

Rich Results Testでエラーがないことだけを確認して満足してしまう。Rich Results TestはGoogle対応項目に限定されるため、schema.org仕様全体としての妥当性まではカバーしません。Schema Markup Validatorとの併用が必要です。

検証を公開前の一度きりで終わらせてしまう。構造化データはサイト更新のたびに崩れる可能性があります。Search Consoleのリッチリザルトレポートで、公開後も継続して監視する体制が必要です。

11FAQ

Q. Rich Results TestとSchema Markup Validatorは、どちらか一方だけ使えば十分ですか?

目的が異なるため、両方の使用を推奨します。Rich Results TestはGoogleのリッチリザルトに対応できるかの確認に向いています。Schema Markup Validatorはschema.org仕様全体としての構文の正しさの確認に向いています。

Q. 「Structured Data Testing Tool」は、まだ使えますか?

使えません。Googleによるサポートは2021年8月に終了しています。このツール名を使った解説記事を見かけた場合、更新日が古い可能性が高いため注意してください。

Q. Search Consoleのリッチリザルトレポートに表示されないリッチリザルトの種類がある場合、実装が間違っているのですか?

そうとは限りません。Googleが監視・表示するリッチリザルトの種類自体が見直され続けています。FAQ rich resultsのように廃止された種類もあるため、まず対象のリッチリザルトが現在も有効かを確認してください。

Q. Rich Results Testでよく出るエラーは、具体的にどう直せばいいですか?

代表的なのは「Missing field」(必須プロパティの欠落)と「Invalid object type for field」(値の型の不一致)です。エラー表示にはプロパティ名が含まれるため、該当するリッチリザルトの型別ドキュメントで正しい形式を確認し、その通りに修正します。

12まとめ

構造化データの検証は、Google公式のRich Results Testとschema.org運営のSchema Markup Validatorを使い分けることが基本です。2021年に終了した旧Structured Data Testing Toolと混同しないよう注意してください。

公開前の検証だけでなく、Search Consoleのリッチリザルトレポートによる継続監視が必要です。そして対象のリッチリザルト自体が現在も有効かの確認まで含めて、初めて構造化データの検証は完結します。

13この分野を体系的に学ぶ

この記事は徹底ガイド記事です。構造化データの実装と検証を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「テクニカル編: 構造化データ実装(III-B)」をご覧ください。