Googleは2026年6月、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートにDiscover専用のビューを追加しました。これまでAI Overviews・AI Modeの表示状況しか確認できなかったこのレポートで、Discoverの生成AI機能における露出も見られるようになります。本記事では公式情報にもとづき、3つの経路の違いと実務対応を整理します。

01結論: 実務者が知るべきこと

引用されやすい定義文

Google Discoverとは、検索キーワードなしに興味に基づいて記事を自動表示する検索内フィード機能です。

2026年6月から、この生成AI版の表示状況もSearch Consoleで確認できるようになりました。自社アカウントで新しいDiscoverレポートが使えるかを確認することが、まずの一歩です。

02何が発表されたか

Googleは公式ブログで、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを拡張し、Discover向けの専用レポートを追加したと発表しました。このレポート自体の基本的な使い方は、別記事『GSC「生成AIパフォーマンスレポート」を使いこなす実践ガイド』で解説したとおりです。今回の拡張により、Discoverの生成AI機能に自社ページが表示された回数(インプレッション)を、ページ別・国別・日付別に確認できます。

通常検索・AI Overviews/AI Mode・Discoverという3つの経路の違いを整理すると、次の表のとおりです。

観点通常検索(オーガニック)AI Overviews/AI ModeGoogle Discover
起点ユーザーのキーワード入力ユーザーのキーワード入力ユーザーの興味・閲覧履歴(キーワード入力なし)
表示のされ方リンク一覧要約または会話形式の回答関心に合わせた記事フィード
コンテンツ側の対策通常のSEO基盤(クロール可能性・構造化データ等)同左(専用タグは不要)通常の高品質な記事+推奨画像仕様(専用タグは不要)
Search Consoleでの計測検索パフォーマンスレポート(クリック・CTR等)生成AIパフォーマンスレポート(インプレッションのみ)Discoverパフォーマンスレポート+生成AI版(検索向けと同様インプレッション中心と案内)
特性検索意図に沿って予測しやすい検索起点だが要約で完結しやすい予測しにくく変動しやすい(公式ドキュメントの説明)

AI OverviewsとAI Modeの違い自体は、別記事『Google「AI Overviews」と「AI Mode」の違い』で詳しく解説しています。

03仕組み・背景解説

3つの経路が並存する背景には、Googleが検索体験を「意図に応える」ことと「関心を先回りする」ことの両方に広げてきた経緯があります。通常検索とAI Overviews/AI Modeはユーザーの能動的な検索行動が起点ですが、Discoverはユーザーが何も入力せずに始まります。公式ドキュメントも、Discover経由のトラフィックは通常検索と比べて予測しにくいと説明しています。

通常検索・AI Overviews/AI Mode・Discoverの3経路比較 起点はいずれもキーワード入力だが、Discoverのみユーザーの興味・閲覧履歴で入力なし。表示形式は通常検索がリンク一覧、AI Overviews/AI Modeが要約または会話形式の回答、Discoverが記事フィード。Search Consoleでの計測は通常検索が検索パフォーマンスレポート、AI Overviews/AI Modeが生成AIパフォーマンスレポート(インプレッションのみ)、Discoverがdiscoverパフォーマンスレポート+生成AI版という対比構造。 COMPARISON 通常検索・AI Overviews/AI Mode・Discoverの3経路比較 観点\経路 通常検索 (オーガニック) AI Overviews/ AI Mode Google Discover 起点 ユーザーのキーワード入力 ユーザーのキーワード入力 ユーザーの興味・閲覧履歴 (キーワード入力なし) 表示形式 リンク一覧 要約または会話形式の回答 関心に合わせた記事フィード Search Consoleでの計測 検索パフォーマンスレポート (クリック・CTR等) 生成AIパフォーマンスレポート (インプレッションのみ) Discoverパフォーマンス レポート+生成AI版 出典: Google公式ドキュメント(Search Central/Search Console ヘルプ)
通常検索・AI Overviews/AI Mode・Discoverの3経路を対比するフロー図

04実務への影響(誰が・何を・いつまでに)

企業のWeb担当者・パブリッシャーへの影響は主に3点です。

  1. Search ConsoleでDiscover向け生成AIレポートが使えるか確認してください。公式ヘルプは対象を「一部のサイト運営者への段階的展開」と説明しています。報道では英国のサイト運営者から先行して展開されたとされていますが、対象地域や区分の詳細は変わる可能性があります。
  2. コンテンツ面で新たに追加すべき対策はありません。公式ドキュメントはDiscoverに専用タグや構造化データを求めておらず、時宜に適った独自性のある記事と推奨画像仕様の順守が引き続き土台になるとしています。
  3. 生成AI機能への表示を意図的に避けたい場合は、専用設定を確認してください。この設定はAI Overviews・AI Mode・Discover内の生成AI機能だけを対象とします。通常の検索結果やDiscoverフィード自体の掲載には影響しないと、公式ヘルプは説明しています。こちらも一部のサイト運営者からの段階的展開で、適用開始日の明記はありません。

05WEBMARKSの見解

WEBMARKSは、DiscoverをAI Overviews・AI Modeとは別の対策先と捉えるより、地続きの変化として捉えるほうが実務的だと考えます。

海外のニュースパブリッシャーでは、通常検索経由の流入シェアが2年で51%から27%へ低下し、代わりにDiscover経由のシェアがほぼ倍増したという分析があります。出典はNewzDashの分析(SEO Roundtable報道、400以上のパブリッシャー対象)です。Discover側の正確なシェア数値は報道により表記が異なり、日本市場への当てはまりも未検証です。

ゼロクリック時代の経路分散戦略については、別記事『ゼロクリック時代に企業が取るべき3つの戦略【2026年最新データ】』で扱っています。

06FAQ

Q. Discover向けの生成AIパフォーマンスレポートは、すべてのサイトで使えますか?

2026年7月時点では一部のサイト運営者への段階的展開の段階です。公式ヘルプは対象を「一部のサイト運営者」とのみ説明しており、展開状況は今後変わる可能性があります。

Q. Discover対策として新しく何かを実装する必要がありますか?

公式ドキュメントは、Discover向けの特別なタグや構造化データを求めていません。時宜に適った独自性のある高品質なコンテンツと、推奨される画像仕様を満たすことが引き続き基本です。

07この分野を体系的に学ぶ

この記事はニュース解説です。Google検索のAI機能とDiscoverの関係を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「基礎編: Google AI Overviews/AI Mode 深掘り(II-D)」をご覧ください。